カフェを出ると、翔くんは無言で私の手を引きながら移動した。 今までの翔くんとは違って、なんだか不気味に見えた。 しばらくして、歩いていた翔くんが立ち止まった。 ――ザサーン ザサーン 「ここ……」 翔くんが私を連れて来たのはいつか来た、あの海だった。 私の手を握ったまま、翔くんが海を背にして私を見た。