翔くんは強く、でも優しく私を抱きしめてくれた。


「ごめんなさい」

「謝らないで…。 私が翔くんに言いたかっただけだから」

「俺、ダメな彼氏ですね」
「そんなことないっ!翔くんは良い彼氏だよ!! 優しいし、私の事大切にしてくれてる。私には勿体無いぐらい、良い彼氏」

「ダメなんです!! 俺には、そんな風に先輩に言ってもらう資格なんて…ありません」

「どうしてっ……!」

「先輩がこんなにも苦しんでいたのに、俺は気付けなかった」

「それは私が言わなかったから…」

「言われなくても分からなくてはいけなかったんです。それに、俺は……」


――ザワザワ

『何?喧嘩かしら…』


しまった!

ここカフェ…


「先輩、場所変えましょうか」

「う、うん」