「すみません…。せっかくの誕生日なのに」 …俺のせいで台無しだ。 「ううん。それよりも翔くんの方が大切だから…」 「先輩…」 先輩は優しい。 その言葉だけで十分過ぎるくらいに幸せだ。 だけど…この幸せを感じられる時間はもう長くない。 さっき、とっさに"喘息持ち"だと誤魔化したけれどあれは嘘。 …俺は、病に侵されている。