どのくらいの時間が
経っただろう。

「・・・何の話ですか?」

やっとのことで
声を絞りだす。

「僕のこと
気づいてたわけじゃなさそうだね。
そんなにはっきりしたマーキングを
されてるのに」

先輩の言っていることがわからない。
悪魔って、士狼のことをいってるの?

だとしたらこの人は何者なの?!

答えないでいると
相模先輩は小さくため息をついた。

「あんまり手荒な真似は
したくなかったんだけど・・・」

スッと片手をあげて
私の額に手のひらを当てる。

「ごめんね。
覗かせてもらうよ」

ビリっと頭が痺れる感覚がする。

いや、何をされているの?

「や、めて・・・」

逃げようとするけど
体が動かない。

助けて。

そう思った時
1番に士狼の顔が浮かぶ。

助けて、士狼・・・!

心の中で叫んだときだった。