「心配したぞ。
 急にいなくなるから」

士狼は安心したようにため息をつく。

「ごめんなさい。
 あの2人には
 ちゃんと説明しなくちゃと思って」

そう言うと
士狼は顔をしかめた。

「あの小僧、
 お前の幼馴染だな」

「寛人だよ。
 そう。幼稚園から一緒」

その幼馴染をあんなに怒らせるくらい
心配かけたんだ・・・。

「気に入らない」

「え?」

士狼が何か呟いたけど聞こえなかった。

「なんでもない。
 さあ、帰るぞ」

車で来ていたらしい。
すぐに押し込まれて
館へと戻る。

無理がたたったのか
その日の夜また熱がぶり返してしまい
結局その後
1週間学校を休むことに
なってしまったのだった。