顔が赤いよ、
と莉沙に言われて
少し熱っぽいのに気がついた。

朝雨に濡れたからかな。

「お前、大丈夫か。
 送ってくぞ」

寛人にそう言われて断ろうとしたけど
そのうち歩くのもしんどくなってしまった。

結局送ってもらって
帰ったのは自分の家。

久しぶりに入った家は
人がいない分
少し埃っぽくなっていた。

「一人で大丈夫か?」

「寝てれば治るから」

「何かあったらすぐに連絡してね」

心配そうな2人を見送ると
なんとか立っていられたのはそこまでだった。

玄関でへたり込んで
そのまま意識が遠くなる。