ある朝。

早く学校に着いた私は校内を散策していた。

放課後は暇がなくて部活にも参加できない。
ここが部活動必須じゃなくて良かった。

「あ、武道場だ」

朝練をしているのか人の声が聞こえる。

覗いてみると剣道、柔道それぞれが練習をしている。

いいなあ。
中学までは柔道部だったのだ。

柔道の方には10人ほどの部員がいた。
キャプテンらしい女性がこちらに背を向けて
立ち稽古をしている部員を見ている。

「入部希望?」

「きゃっ」

練習風景に魅入っていた私は
突然後ろから声をかけられて驚く。

「ああ、ごめん驚かせてしまったね」

振り返ってまた驚いてしまう。

「相模先輩・・・」

思わず声に出してしまう。

「おや、もう覚えてくれたの?」

相模先輩はにこりと笑う。
ああ、素敵な笑顔・・・。