ごちゃまぜ短編集


「若かりし頃、私達は出逢いましたね。」

年老いて声は擦れ、いつかの意気揚々とした透き通った声音は色褪せてしまった。

昔から治らなかった呂律の周りが柔い喋り方が一層に増して聞こえた。

「私は貴方に一目惚れしました。ええ、確か、ずっと隠してましたね。だってあなたは決してかっこよくなどなかったのだもの。」

「でも一目惚れしたのよ。私は好きだったの。あら、見た目じゃないわよ?雰囲気全体が、好みだったの。」

「かわいらしい子が好きでね.....性が合うと思ったのよ。本当よ。実際、とても気があって、恋人になる前も沢山お話したものだったわ。」

「最初は私が好きだったのよね。それなのにあなたったらすぐ私に墜ちたんだから。びっくりしちゃったわ。でも嬉しかったわ。」