って…


「桃ちゃん」


「なに?
早く行きなよ」


「今気づいたんだけど、


あたし、元気よくかけだせないよ」


「は?

なにいって…」


「だって…


車イスだし」


忘れてたし


「じゃあ、あたしが雷斗をここに読ん
でくるからちょっと待ってて」


「すみません…


お願いします」


そう言って桃ちゃんは、あたしの代わ
りに元気よくかけだした