「私が自ら死んだのは、世界を救うためじゃない。兄の願いだったというのもあるけれど、一番の理由は…そうね…。償い、かしら」 償い…? ルナは、眉根を寄せた。 「何のための、償いなの…?」 「あなたに、朱雀を封印した償いよ。私もトムラも、あなたを谷の皆から英雄を見てほしいと願い、朱雀を封印した。それは、表向きの理由でしかなかった」 表向きの、理由。 ルナは、意味を理解できず、母を見上げた。 一体、母は何を言おうとしているのだろうか。