君がいるから









(あ……った、かい……。なん、だか、ほっと……す、る)

 チュンチュン  チュンチュン  チュン

(鳥……の、鳴き声? もう朝? うーん……眠い……)

(すごく気持ちいい……。勿体ない、まだ……もうちょっとだけ)






(あぁ、もぅ……眩しい……)

 体に掛けてある、ふわふわっとした感触を掴み、目元まで手繰り寄せてうっすらと瞼を開く。まだ、寝ぼけている目には刺激が強く感じる朝の一筋の光に、すぐさま瞼を閉じる。
 一瞬にして入ってきた光のせいで、瞼の裏がちかちかと点滅を繰り返す。恐らくカーテンがしっかり閉められていなかったんだろう、一筋の光が丁度顔にかかっていて、通りで顔の一部が熱いと思った。

(まぶ……しすぎ、る。あぁ……起きなきゃ……。今、何時なんだろう)

 チュンチュン チュン チュン

(レイの様子、見に行かなきゃ……。あと、食事の支度の手伝いにも……それから――)

 思いながらも、体が重く尚且つ温かく心地良いこの中から出ることとが勿体なくて、起き上がろうという気にはなれず。ふいに目を閉じたまま、寝返りを打つ。
 ぴくりとこめかみがふいに動き、うっすらと重い瞼を開く。頭上から耳に届くのは、寝息のような。それでいて、何故か傍に何かあるような。気配にうっすらと目を開き正体を確認する。まだ、眠気眼な私の目はしっかりと映し出してはくれない。瞼をこすり、細めて焦点を合わせる。
 次第に視界が鮮明になって、一つに重なりあう――。






 僅かな沈黙――のちに大きく目を見開く。同時に、体を勢いよく起き上がらせたと同時に、ベットのスプリングが大きく揺れる。

(えっ? えっ? どうして……どういうこと!? ちょっと待った、落ち着こう――って落着けないよ! 誰か説明してー!!)

 声にして出さない疑問の言葉を心中で叫び、髪をぐしゃぐしゃ自分の手によって爆発させていく。寝起きでパニックに陥っている理由。
 今、今、私の目の前ですやすや寝息をたて眠っているのは、それは紛れもなく――ジンがいるから。