「早く、こっちに来い。」
「なんで??」
「良いからこい!!!!」
「イヤ。」
「早く出ないと死ぬぞ!!!!」
夏起くんの表情は怒っているような…………。
でも、酷く傷付いてるように見えた。
その表情はあたしを抱いていたときの表情と同じだった。
「………………いいよ。」
あたしの言葉の意味を理解していない夏起くんはあたしに戸惑いの表情を見せた。
もう壊れてしまったんだから。
治す必要も……………何もかも…………いらない。
「……………このまま居なくなっても良いよ。」
あたしは今までで最高の笑顔を見せた。
壊れた心が……………更に壊れていく。
軋んだ音が響いていく。
引き下がれないところまで来た。
もうこれ以上は望まない。
一瞬でも夏起くんと同じ気持になれたんだから。
「ねぇ。」
「早くこっちに来い。」
「あたしのこと好き…………だった??」
あたしはあえて『過去形』で聞いたんだ。
さっきの出来事があったんだ。
もう想いは変わってるはず。
人なんてすぐに感情が変わるのはさっき、嫌というほど実感したんだから。
望まない、もうなにも。
あたしは………………今から消えてしまうんだから。
せっかく1人だったから誰も気にしないでくれると思ったのにな。
その時だった、あたしの身体は温かさに包まれた。

