あたしはそのまま作った笑顔の仮面を張り付けたまま教室を出た。
「……………………梓紗。」
あたしが通り過ぎる時、夏起くんがあたしの名前を呼んだ気がした。
あたしは1度も夏起くんを見ないままこの海まで来た。
壊れたはずの思考回路が段々と修復されていく。
壊れてしまった心は治らないまま。
「好きだったのに、壊れちゃった。」
あたしは更に歩く速度を速めた。
段々と水位が上がっていく。
そろそろ、溺れるぐらいの深さかな??
どこまであたしは流れていけるかな??
流れていけるかな??
そのまま暗く光のささない海の底に沈んでいくのかな??
それなら良いのに。
あたしには『光』なんてもう無いんだから。
でも、本当にこれで夏起くんとは会えないんだ。
これが最後なら…………………。
「好きでした。」
そう言っておけばよかったかな??
もう手遅れだけどね??

