Heart ✰番外編✰





あたしはそのまま作った笑顔の仮面を張り付けたまま教室を出た。



「……………………梓紗。」


あたしが通り過ぎる時、夏起くんがあたしの名前を呼んだ気がした。


あたしは1度も夏起くんを見ないままこの海まで来た。


壊れたはずの思考回路が段々と修復されていく。


壊れてしまった心は治らないまま。


「好きだったのに、壊れちゃった。」


あたしは更に歩く速度を速めた。


段々と水位が上がっていく。


そろそろ、溺れるぐらいの深さかな??


どこまであたしは流れていけるかな??


流れていけるかな??


そのまま暗く光のささない海の底に沈んでいくのかな??


それなら良いのに。


あたしには『光』なんてもう無いんだから。


でも、本当にこれで夏起くんとは会えないんだ。


これが最後なら…………………。











          「好きでした。」








そう言っておけばよかったかな??




もう手遅れだけどね??