もう海水はあたしの腰の位置まで来ていた。
すごく冷たいなぁ。
でも、あたしの火照った身体にはこの冷たさが1番。
夏起くんの温もりも何もかも冷たさで分からなくなれば良い。
もう、あたしには『温かさ』なんていらない。
あたしの居場所なんてどこにもない。
あたしには………………初めから何もなかった。
『友達』も『恋人』も『家族』も何もかも全て………。
あたしが教室に帰ると朱希はあたしを見て泣いた。
その周りにたくさんのクラスメートが集まった。
そこから聞こえてきたのはあたしに対する『罵声』だけ。
『最低女』
『男たらし』
『死んじゃえば』
『お前なんてクズだ』
たくさんの罵声にあたしは居た堪れなくなって、教室のドアに手をかけた。
だけど、次の瞬間にはあたしの身体は床にあった。
数人の男子生徒に押さえつけられていた。
上から朱希があたしに乗っかった。
『バキッ』
鈍い音と共に頬に痛みがはしる。
あれっ?? あたし、朱希に何された??
朱希はあたしを見降ろしながら何度も殴ってきた。
最初は頬だった。
でも次からは外から見えないお腹や背中。
あぁ、痛い。
心も体もバラバラになりそうなほど痛い。
だけど、不意にあたしの目の前のドアが開いた。
そこには……………。

