Heart ✰番外編✰






もう海水はあたしの腰の位置まで来ていた。


すごく冷たいなぁ。


でも、あたしの火照った身体にはこの冷たさが1番。


夏起くんの温もりも何もかも冷たさで分からなくなれば良い。


もう、あたしには『温かさ』なんていらない。


あたしの居場所なんてどこにもない。


あたしには………………初めから何もなかった。


『友達』も『恋人』も『家族』も何もかも全て………。


あたしが教室に帰ると朱希はあたしを見て泣いた。


その周りにたくさんのクラスメートが集まった。


そこから聞こえてきたのはあたしに対する『罵声』だけ。





『最低女』

『男たらし』

『死んじゃえば』

『お前なんてクズだ』



たくさんの罵声にあたしは居た堪れなくなって、教室のドアに手をかけた。


だけど、次の瞬間にはあたしの身体は床にあった。


数人の男子生徒に押さえつけられていた。


上から朱希があたしに乗っかった。


    『バキッ』


鈍い音と共に頬に痛みがはしる。


あれっ??    あたし、朱希に何された??


朱希はあたしを見降ろしながら何度も殴ってきた。


最初は頬だった。


でも次からは外から見えないお腹や背中。


あぁ、痛い。


心も体もバラバラになりそうなほど痛い。


だけど、不意にあたしの目の前のドアが開いた。


そこには……………。