波が陸に上がってはまた海に戻っていく。
あたしはその動きをまるで他人事のように見ていた。
潮風があたしの火照った身体を少しずつ冷やしていく。
そのうちにさっきの出来事を思い出した。
あたしは夏起くんに酷いことをした。
あたしの瞳からは大きな雫が流れてくる。
あたしは夏起くんの告白の返事の代わりに。
夏起くんにあたしは…………………。
抱 い て も ら っ た ん だ
頭の中で夏起くんがあたしの名前を切なそうに呼んでいるのを思い出した。
泣きそうな顔が頭の中から離れていかない。
あたしは『罪』を犯したんだ。
夏起くんの気持ちを踏みにじる行為をした。
「っく…………っつ~………。」
口を固く閉ざしてあたしは声を押し殺した。
しかし、嗚咽が少しだけ漏れてしまう。
その声を自分で聞いていてあたしは『滑稽』に思えた。
自分が夏起くんに頼んだはずなのに……………。

