そばにいたい。






「玲菜、具合はどうだ?」

「今日は熱もないの!もう少しで退院だって!」

嬉しそうに弾んだ声が俺や、龍さんの顔を緩ませる。


「そうか、よかった」

「うん!…ぁっ、!拓真!!」

優しそうに微笑んだ龍さんが病室に足を踏み入れた瞬間、玲菜にしては大きな声が病室に響いた。

「っ、玲菜、久しぶり。大丈夫、?」


「っ、拓真…、拓真っ!」

俺を見て、大きく見開いた目から、水滴が頬を伝って流れ落ちる。


「、玲菜…ごめんっ、ごめんな…」


ぽろぽろと止まらずに流れる涙に、焦って玲菜を抱き締めた。


「拓真の、ばかっ!…ごめんねっ」


なんだ、早く会いに来てやればよかった。


玲菜はあんなことで拒絶するやつじゃない。


むしろ、ごめんねって、私が悪かったって、そう言うやつだった。