「助けてくれて、ありがとう」
2週間前ウチにきたときとはちがう、はっきりとした声でお礼を言うアイツは、俺とひとつしか変わらないはずなのに、何倍も、何倍も、大人に見える。
「助けられなくて、ごめん」
にーちゃんがポツリと呟いた。
その声に大きく首を振ったアイツはまた口を開いた。
「あ、の、おねがいが、あって…、」
戸惑ったように口を開くアイツのお願いは、俺たちが自分のそばに来ること。
入り口で立ち止まっていた自分に気づいて、白いベッドへと足を進める。
―――――ギュ
「ッ、」「、!」
アイツはベッド脇に並んだ俺たちふたりをその細くて小さな体で抱き寄せて、言った。
