とーちゃんにつれられて入った病室には、やっぱりあいつがいた。


だけど、どことなくいつもと違ってて、顔色は悪いのに、どこか吹っ切れたような顔をしていた。




あの時―アイツが階段から落ちた時―、俺はとっさに手を伸ばしていて、だけど、やっぱり届かなくて、俺より小さな体は大きな音をたてて床に叩きつけられた。



その瞬間、俺はなにか大変なことをしてきたのではないかと、漠然と思った。