「玲菜ちゃん、気分はどうかな?」 「春樹くん!」 あいていたドアからひょっこりと顔を覗かせたのは医者らしく白衣を着た若い男の人。 ―――――ニコ 大丈夫です、という思いを込めて笑った。 「…そうか、じゃあ、少し診察をさしてくれるかな?」 その言葉を聞き、起き上がろうとすると、右側に激痛がはしった。 「っ、…」 思わず顔を歪めたが、何とか左手だけで起き上がる。 「…、じゃあこれ、左にはさんでね」 そういって渡されたのは体温計。 無言で左脇にはさむ。