「はい!それが聞きたかったんだよね。ありがとう」
胡乱な目をする冬を華麗にスルーして寒緋は続ける。
「アタシが使う術がどのくらいあるか知ってるか?」
「知ってるけど……」
「言って」
「……夢桜、桜吹雪、道桜、華切り、写し身、とかかしら」
「説明も」
「《夢桜》は汎用型の精神介入ね、幻を現実のように魅せる術。
《桜吹雪》は身を隠す効果もあるけど、どちらかと言えば道桜の準備としての使用が多いかしら。
《道桜》は桜の花びらが通っているところなら任意のところへ移動できる、言わば瞬間移動だわ。
《華切り》は寒緋専用、望月が鋭利な刃のようになるもの。
《写し身》は元はといえばお初さんの業ね、分身を作るわ」
「冬……完璧。これだけの術を設定に書き加える度胸のなかった水羅に土下座させたいね」

