「期限は」
「特に設けてないな。近い内にとは書いてあるけどよ」
「そうか」
にしても、今回はちょっと大きい仕事っぽいな〜。気を引き締めて行こう。
「そういえば、世良にはアレがいるじゃないか。悪夢の演者《ナイトメアアクター》が」
「ああ、あのいけ好かないガキね」
む?誰?
「アイツを利用した方がやり易いな」
「果たして協力するかな?相手は一応、アイツの兄だぞ」
「兄だからって断ったなら、アイツの株は大暴落だな」
「それもそうだ」
出灰さんは乾いた声で笑う。
「そんじゃま、精々頑張れよ」
出灰さんは出ていった。飄々としてるよなぁ、あの人って。
「さぁ三月、次のステージへ進もうか」
「はいよー」
こうして物語は、新たな幕を上げる。