「そう言えば知ってるか?」
用もないのに勝手に家でくつろいでいる出灰さんが、思い出したように聞いてきた。
「何をですか?」
素っ気ない声になりつつも、とりあえず返事だけはしておく。
「最近、断罪者《ジャッジメント》が表立った行動を起こし始めたみたいだぜ」
出灰さんは愉快そうに笑う。いや、待って。断罪者《ジャッジメント》って何ですか?
「断罪者《ジャッジメント》?」
「何だ、知らねぇのか女子高生。この世界にいながら素晴らしい情報収集能力をお持ちで」
「皮肉はいいんで」
「断罪者《ジャッジメント》ってのは、簡単に言えば制裁者だ。
警察とは別に、単独で俺達のような日陰者を追い回して制裁を与える、正義の組織ってワケだ」
あ、組織なの。
「これからは仕事がやりにくくなるなぁー、面倒くせぇ」
「その断罪者《ジャッジメント》って、大きな組織なんですか?」
「んー、どうだろうな。金はあるみたいだが、メンバーはそんなに多くないらしい」
だが、と、出灰さんは続ける。
「実力は侮れねぇな」


