「ふん……。


そろそろお前にも"依頼"がくるんじゃないか、二重領域《ダブルサイド》」



二重領域《ダブルサイド》……。竜鄙さんの呼び名だ。



見方にとっては安全領域《セーフティサイド》。だけど敵にとっては危険、死の領域《アウトサイド》。



その総称として、二重領域《ダブルサイド》。



一葉ちゃんが訳がわからなそうに私達を見てる。うん、一葉ちゃんは正真正銘の常人だもんね。



本当は裏の世界のことなんて知ってほしくないし、それで竜鄙さんが……。






嫌われちゃったりしたら……。






竜鄙さんも不安なのか、難しい顔をしている。でも、いつまでも隠し通せるものじゃない。



いつかは知られるし、知られなきゃならないことなんだ。



竜鄙さんもそんなことわかってる



「まぁ、いい。金は置いていく、釣りはいらない。じゃあな」



「えっ、待ってよ黒羽ーっ」



私は慌てて黒羽の後をついていった。竜鄙さん、一葉ちゃん、大丈夫かな。



でも本人達の問題だし、本人達で解決すべきだよね。