そして2ヶ月になろうとしたある日


父さんは俺が見たことの無いほど哀しい瞳をして、衝撃的な言葉を告げた。

「母さんはもう二度とここへは戻らない。
父さんと龍也と二度と一緒に暮らす事は無い。
だから母さんの事はもう忘れるんだ。これからは父さんと二人で生きていくんだ。いいな。」

父さんの言っている事が理解できなかった。

母さんを忘れる?

二度とここへは戻らない?

「…い…やだ…。どうして…?」

「母さんはもう二度と帰ってこないんだ。
龍也。これからは父さんが母さんの分までお前を愛していくから…
母さんの分まで護ってやるから…。」


父さんは俺をギュッと抱きしめて、声を震わせた。