今も桜が綺麗に咲いています。

だけど私は気を取り直して土方先生の近くに行く。

すると私の気配を察知した土方先生が振り向く。

そんな土方先生に私は傘を傾ける。

「土方先生。風邪、引いちゃいますよ?」

驚いた瞳で私を見つめる土方先生。

「お前・・・・」

「彩愛です。」

「え?」

「土方先生いつも私のことお前って呼ぶんですもの。彩愛って呼んでくださいよ。」

「っ・・・ああ。」

「土方先生。こんなところで何をしているんですか?」

「ああ。昔を少し懐かしんでたんだよ。」

その横顔は晴香遠くを見つめていた。

「そう、なんですか・・・でもこのままだと風邪をひいてしまいます。学校にいきましょ?」

「いや、もう少し俺はここで桜を見ていく。すまねえな。」

そう言ってまた視線を桜へと戻す。

どうしよう。

でも、このまま放っておけない。

私は自分の腕に視線をやると羽織るものがあった。

ふわりと土方先生の頭にそれをかける。

「なっ・・・・」

「これで少しは雨をしのげますよ?」

そう言って微笑むと土方先生は急に私を抱きしめた。