思い出したように話す里音の言葉で、あたしと佐久間さんは揃って目を見開いた。
「秋祭りって、前にみんなと話した縁日のこと?」
そういえば、屋台が出るんだったっけ。
どんなものが売ってるんだろう。
想像を膨らますと、益々楽しみが増えていく。
「うん。あんまり盛大にはやらないけど、祭りの最後に何個か打ち上げがあるんだ」
それから、いろんな色の花火が空を染める様子を身振り手振りで教えてくれる。
あたしと佐久間さんは、しばらくの間瞳を輝かせながらその話に夢中になっていた。
赤い花火、青い花火、黄色の花火、紫の花火……。
夜空に舞い上がった瞬間を考えたら、それだけでもうワクワクする。
「さて、そろそろ戻るよ」
説明の区切りがいいところで、里音は佐久間さんの肩をぽんと叩きながら立ち上がる。
「ぼく、もっとヒメとお喋りしたい」
「だーめ、すずが疲れるだろ」
ふてくされて頬をぷくっと膨らませた佐久間さん。
「あたしなら大丈夫よ。
全然疲れていないもの」


