「お粥作ったんだ。
少しでも食べれそうなら、お腹に何か入れたほうがいいから」
それは、あたしが初めて見る料理だった。
「ありがとう」
お礼を伝えて体勢を整え、お盆ごと受け取ったそれを膝に乗せる。
レンゲですくうと、湯気がさらに立ち込めた。
「……美味しい」
温かさが体中に染み渡って、優しいような懐かしいような気持ち。
ぼそっと呟くあたしを見て、里音は頭を撫でてくれた。
「ずるいっ、ぼくも姫をイイコイイコしたい」
「はいはい」
あたしへと手を伸ばした佐久間さんを、宥めるように里音は佐久間さんの頭も撫でる。
まるで、里音があたしと佐久間さんのお兄さんみたいだった。
突っかかりもあるし、壁も張る。
それでも一生懸命みんな生きていて。
洋館のみんなのこと、最初は冷たいと思ったこともあったけど、本当はとっても優しいのね。
つらいこと、悲しいこと、どうしようもできないこと……。
乗り越えたら幸せが待ってるって、みんなが教えてくれたの。
「花火っていえば、確か秋祭りで打ち上げがあった気がするけど」


