次第に目の前の宙に、水が渦巻く。
気泡から、小さな女の子を象った生き物が現れた。
淡い青のサラサラの髪に、藍色の瞳。
ひらひらとしたワンピースが、女の子らしさを一層高めていた。
「お初にお目にかかります、ローナ姫」
ワンピースの裾を両手で摘んで会釈する。
「あなたは?」
自分の顔の大きさにも満たない小ささに、目をぱちぱちとさせた。
小さな彼女は、あたしの正面に舞って来ると、笑顔で両手を合わせた。
ふにっとした笑顔は、癒やしをもたらすよう……。
小さい体に、図りきれないほどの魔力が宿っているのがわかる。
姿形は知らないものの、大きさや今現れたというタイミングからおおよそ把握はできた。
「自己紹介遅れまして、申し訳ございません。
私、この世で水の魔力を司っております。
水の妖精でございます」
大層丁寧に紹介を受け、こちらも自然と背筋がピンと伸びる。
この間の火の妖精は、ずいぶんフレンドリーだったけれど……。
妖精にも、それぞれ個性や特徴があるのね。
知らなかったわ。


