どうにか……どうにかしなきゃ。
でも、どうすれば?
悩んでいる間にも、水は巨大な防壁を作る。
駆け寄ってきた誠とあたしの間には、水でできた透明の壁がある。
目には見えないけれど、魔力で感じ取れるの。
そっと手を伸ばして、見えない壁を確認する誠。
境界線の位置がわかると、なんとか破ろうとしているのか数回拳で叩いていた。
誠のいる空間だけが、なぜか魔力を反射している。
飛び回る雫が、彼を避けて飛行を進める。
なぜ……?
「早く、ここから脱出しろと彼女が」
壁越しにこもった声で誠が話す。
彼女と言われて、初めて琴葉ちゃんが視界の外にいたことに気付いた。
いいえ、よく見るとあたしと誠以外周りの景色は幻覚だわ。
まるで鏡の世界に入り込んだように、いつも見ている景色が反転して見える。
その状況を知った瞬間、足元でピチャンと水面を弾く音が聞こえた。
自分を取り囲んだ四方から、浸水し始めている……?
どうやら、誠との間に壁があるだけではないらしい。
あたし自身が壁に囲まれており、いわばボックスの中に閉じ込められているみたいだ。


