ジョウロに水をいっぱいまで入れて、来た道を戻る。
笑顔で2人のほうへ歩き始めると、2人も微笑み返してくれた。
その瞬間に、視界の下から光の粒子が入り込んできた。
手元を見ると、ブレスレットが光っている。
この間と同じ光。
ただ、色が違う。
炎を表す真っ赤な色じゃない。
今回は、透き通るような青色だ。
これは……水の妖精?
「楼那さん!」
「危ない!」
え?
2人の呼びかけに顔をあげてすぐ、こちらに走ってくる誠が見える。
誠の視線の先は、あたしの背後に危険が及ぶことを指し示しているようだ。
杖を出現させつつ振り返ると、先程捻った蛇口から流れ出る水が生き物のように暴走を始めていた。
「きゃっ」
大きな雫が真横を勢い良く通り過ぎる。
あまりに早くて、ぶつかるのではと恐怖から悲鳴をあげてしまった。
見る見るうちに、周囲の魔力が強まっていく。
人間界では抑制されているはずの力までもが、溢れ出ているようだった。


