xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜




鼓動の高鳴りが、自分自身でよくわかる。

今、あたし、とってもドキドキしてる。


ドキドキを自覚したら、余計に胸がぎゅっと締め付けられて苦しくなった。



「お前に任せたら、食えるもんが食えなくなるからな」

「へ……?」


さっきの優しい笑みから一変。

何ですか、その余裕たっぷりな裏のある笑顔は。


ひょっとして、バカにされてる?


「愛琉さん、ヒドいわ」

彼の笑顔に一度ドキドキした自分が恥ずかしい。

むっとして、相手を睨む。


さっきの言葉は、すべて取り消すんだから。



「ほら、妙な言い合いしてないで行ってきな」

イライラを消すように、今度は里音がトンと肩に手を置く。

佐久間さんが状況を把握できないようで、首を傾げてこちらを見ている。


あたしは一度愛琉さんと視線を交えてから、そっぽを向いた。

ずっと掴まれていた腕を解いて、自ら握った佐久間さんの手。


「行きましょう」

もう、愛琉さんなんか知らない。