琴葉ちゃんは得意気に言って、すぐに本を開いた。

目次に綴られた文字を、順に指でなぞっていく。


ある場所で指を止めると、満足そうに笑みを浮かべた。



「これ、見て」

差し出されたページには、今左手首にあるのと同じ魔法具の絵。

佐久間さんと恋千くんも、あたしの両脇に来て本を覗き込む。


「妖精の魔力に反応……様々な色の、光を放つ」

呟くように読んでいくと、うんうんと琴葉ちゃんは頷いた。


要するに、このブレスレットは妖精の一定の範囲内まで行くと、妖精の力を感じて光るらしい。

それも様々な色に。


「じゃあじゃあ、光ったところを探せば、妖精がいるってことなんだねっ」

理解した途端、手掛かりを見つけたことにはしゃぎ出す佐久間さん。

あたしも嬉しくて、琴葉ちゃんと顔を見合わせた。


「手分けするにもできないし、これは順番に俺たちがすずと行動するのがいいのかな」

恋千くんは立ち上がって、腕を組んだまま棚に寄りかかる。



「何にせよヒントが得られたし、これで行動開始ね」