「誰も協力しないとは言ってないじゃん」

ため息をついてから、あたしの隣に来た恋千くん。

俺に任せといてと、ウインク付きで告げられた。


その行動に、不覚にもときめきそうになった自分。

ダメダメ、恋千くんの行動はきっと策略なのよ。

一歩下がって考えないと、時々流されてしまいそうになるから怖い。



「残るは愛琉、だな」

里音の声に、みんなが愛琉さんに視線を向ける。

愛琉さんは一度あたしたちを見て視線を逸らすと、雑に頭を掻いて。


「言われなくても、協力してやるよ」

どこか照れくさそうに言った。



本当、素直じゃないんだから。

プライドが高いというか、何というか。

それが愛琉さんらしさ、なのかもしれないけど。



「ありがとう、みんな」

でもこれで、前と同じね。


今回は“幸せ”ではないけれど、きっと見つかるわ。

人間界に紛れ込んだ“妖精”、絶対に探し出してみせるんだから。