xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜




誠の提案に、佐久間さんと顔を見合わせる。

もちろん、とびっきりの笑顔で。


「それがいいわ!
みんなで行ったら、とっても楽しいと思うの」

「うんうん、ぼくもみんなと行きたい!」


声を揃えて、2人ではしゃぐ。

すると、愛琉さんと恋千くんがほとんど同時にテーブルを叩いた。



「俺は全員じゃなくて、すずと2人で行きたいの」

「全員とか、ダルすぎんだろ」


そんなぁ、完全否定しなくたっていいじゃない。

せっかくいい案だと思ったのに。


あたしは、佐久間さんと一緒にしょんぼりと俯く。



「誰と行くかは置いといて、秋祭り、ちゃんとできるといいな」

すると、それまで黙っていた里音が窓の外を見ながら呟くように言った。



全員が導かれるように、外の世界へと視線を投げる。

いつの間にか、晴れていた空は曇っていて。




「なんか、嫌な予感がする」

振り返った里音と、目が合った。