誠の提案に、佐久間さんと顔を見合わせる。
もちろん、とびっきりの笑顔で。
「それがいいわ!
みんなで行ったら、とっても楽しいと思うの」
「うんうん、ぼくもみんなと行きたい!」
声を揃えて、2人ではしゃぐ。
すると、愛琉さんと恋千くんがほとんど同時にテーブルを叩いた。
「俺は全員じゃなくて、すずと2人で行きたいの」
「全員とか、ダルすぎんだろ」
そんなぁ、完全否定しなくたっていいじゃない。
せっかくいい案だと思ったのに。
あたしは、佐久間さんと一緒にしょんぼりと俯く。
「誰と行くかは置いといて、秋祭り、ちゃんとできるといいな」
すると、それまで黙っていた里音が窓の外を見ながら呟くように言った。
全員が導かれるように、外の世界へと視線を投げる。
いつの間にか、晴れていた空は曇っていて。
「なんか、嫌な予感がする」
振り返った里音と、目が合った。


