桜太が、ハサミで月野のシャツを切っていく。
「音無、綾織、香堂が、日本のヴァンパイアの中の、いわば頂点。あそこは血を薄めない為に、極力、力の強いヴァンパイアとしか婚姻を結ばないんだ」
「や、やめ・・・・・・!」
氷のように冷たいハサミが、肌の上を滑り、シャツを切っていく。
「お姉さんの傍にいる綾織 十夜は、純血で力も強い。きっと、誰からも疎まれずに生きてきたんだろうね」
シャツを切り終えると、あらわになる素肌。
下着姿を見られて、月野は羞恥と恐怖で泣きたくなる。
「僕の母親、普通の女でさ。貴族とか金持ちだったらよかったのに。そういうのが母親だと、結構、馬鹿にされるんだよね。ヴァンパイアは、気位が高い奴、多いから」
―――ジャキ・・・・・・ン。
下着を真ん中から切られて、いよいよ月野は叫ばなくては、と唾を飲み込む。



