月野の問いに、桜太は肯定するように笑う。
「ヴァンパイアだけど、母親は元人間だよ」
「元人間?」
「そう。ヴァンパイアが子を生すために、血を飲ませてヴァンパイアにした、元人間」
桜太は説明しながら、銀色のハサミを手に取り、月野に近づく。
「それって、混血・・・・・・?」
「違うよ。元人間でも、ヴァンパイアだからね。生まれる子供は、ダンピールじゃなくて、正真正銘のヴァンパイアだよ」
月野の顔を覗き込み、桜太はまた笑う。
この少年は、よく笑う。
綺麗な顔に、作り物のような笑みを。
「それを繰り返して、濃い血のヴァンパイアを何世代にも渡って、作っていくんだ」
「作るって・・・・・・」
「そうして、限りなく純血に近くなったヴァンパイアは、本家やそれに近い分家と婚姻を結ぶ」
―――ジャキ・・・・・・。
「な・・・・・・!」



