傍にある窓から見えたのは、赤い夕陽。
時間は差ほど経過してないようだが・・・・・・。
(あ、有り得ないわ)
この間の浦部の時といい、襲われすぎだ。
いや、今回は勝手に行動していないし、自分は悪くないはず。
(そんなことより、逃げないとっ)
足は自由なのだし、あとはこの手を縛る縄さえ解いてしまえば。
―――ガチャ。
途端、部屋の扉が開いた。
「あなた・・・・・・」
入って来た人物は、綺麗な男の子―――桜太だった。
月野が起きているのを確かめると、ニッコリと微笑んだ。
「起きたんだね、お姉さん」
「・・・・・・」
何やらいろいろ持って来たようだが、金属のような音も聞こえる。
「お姉さん、ダンピールなんでしょ?」
「・・・・・・やっぱり、ヴァンパイアなの?」



