「だから、あなたじゃ私の足元にも及ばないのよ。そりゃ、私より背が高いし、胸も大きそうだけどっ」
「背とか胸は、関係ないんじゃ―――」
「いや、関係大有りだね」
いつの間にか、背後に鷹斗が立っていた。
「何が大有りなのよ?」
「愛理はわからないだろうけど、男には胸の大きさ、結構重要なんだ」
不満げな愛理に、鷹斗が嬉々とした様子で語りはじめる。
「愛理みたいに小さいのはダメ」
「なっ! 小さくないわよ、控えめなの! 成長途中なの!!」
「かといって、デカすぎるのも良くない」
「ちょっと、聞いてんの!?」
愛理の主張を軽く無視して、鷹斗が月野に笑いかける。
「つまり、小さくもなく極端に大きくもない、月野ちゃんみたいな絶妙な大きさの子が良いんだよ!」
「触ろうとするな!」
月野に伸びる鷹斗の手を、十夜が素早く払い落とす。