RUBY EYE


まさかの来客に、十夜は素早く席を立った。


「どうかしたのか?」


良かった、顔色はいい。

十夜は心の中で安堵し、月野の顔を見つめる。


「謝りに来たの」

「謝りに?」


どういう意味かわからなくて、十夜は首を傾げた。


「さっき、ひどい態度を取ってしまったから。ごめんなさい。綾織くんは、何も悪くないのに」

「・・・・・・」


何と言うか、無垢なお姫様だな。


「俺のことを、責めに来たのかと思った」

「責める? どうして?」


今度は月野が、意味がわからない、という顔をした。


「俺は、お前に何も話さなかった。もし、話していれば、浦部に襲われ―――あんな怖い思いをしなくて済んだかもしれない」


優しい人。

月野は微笑みを浮かべ、十夜を見つめ返した。


「助けてくれたわ。それだけで、十分」