なんて無垢な子だろうか。
椿は予想もしていなかった答えに、思わず笑ってしまった。
「花村さん?」
「いい子ね、月野ちゃんは」
「???」
怪訝な顔をする月野の頭を撫でて、椿はイスから立ち上がる。
「答えなんて、すぐに出ない方がいいのよ。考えて考えて、悩んで悩んで。そうして出た答えの方が、よっぽど意味があるわ」
カップを受け取り、椿は部屋を出てく。
「あ、そうだ! 後で十夜のとこに顔出して上げて。落ち込んでるみたいだったから」
「綾織くん?」
そういえば、さっき中庭で冷たい態度を取ってしまった。
彼は何も悪くないのに。
謝らなくては。
月野はベッドから立ち上がり、部屋を出た。
さっきから、問題集が一向に進んでいない。
これは課題で、やらなきゃいけないことなのに。
隣の部屋にいる月野が気になって、数式を解く手が動かない。



