どれも間違いじゃない。
誰も君を責めない。
だから―――。
「・・・・・・雨」
ポツポツと降り出した雨に、薔薇の花弁が濡れる。
十夜は考えを中断して、中庭を出ることにした。
少なくとも今、彼女の運命は急速に廻りだしたのは、確かだ。
窓を叩く雨の音に、月野は目を覚ました。
部屋に戻り制服を着替えてベッドに横たわり、眠っていた。
部屋は暗いから、ある程度、時間はたったのだろう。
(夢じゃない・・・・・・)
目が覚めて、全部夢だったらいいのに。
月野は頭を振り、どうにか気持ちを明るくしようと頑張ってみた。
でも、前向きになんて考えられるはず、ない。
ヴァンパイアとか、そういうのは物語の中だけのはず。
なのに、受け入れている自分がいた。
だって、実の祖母に殺してくれと言われるより、ヴァンパイアの話の方が、気持ち的に楽だから。



