月野の問いに、十夜は視線を逸らす。
「その・・・・・・男同士の約束、みたいな感じだ」
「教えてくれないの?」
「あぁ」
月野は少し不満げだが、携帯が鳴って、すぐに笑顔を浮かべた。
『音無さん? 美味しいジェラートのお店を見つけたの。それから、注文してた本、今届いたよ』
電話の相手は、美沙子だ。
「うん、今から行くわ」
月野は電話を切り、十夜に笑いかける。
「行ってきます、綾織くん」
「あぁ、行ってらっしゃい」
軽い足取りで立ち去る月野を、十夜は優しい目で見送る。
彼女が笑って、自分の傍にいる。
「・・・・・・いい天気だ」
十夜は暑い太陽の陽射しに目を細めながらも、心は満ち足りていた。
―――月野自室
夜の静けさは、まだ少しだけ怖い。
闇に飲み込まれそうになる夢を見るのが嫌で、月野はベッドから抜け出した。



