RUBY EYE


あなたの腕に抱かれて眠った夜。

あなたの声で目覚めた眩しい朝。


母親と息子。

それは、血ではなく過ごした年月が教える、強い絆を形にした呼び名。


「・・・・・・お前に心配されずとも、まだ死ねないのです」


仕事は山積み。

綾織と香堂とも、また話し合いの場を持たねばならない。

忙しくて、大変なのだ。


「・・・・・・母上、愛してます」


それが、別れの言葉。

美鶴は顔を上げ、去り行く息子の背中を見送る。


「・・・・・・慧。元気で」


美鶴は小さく呟くと、山積みの仕事に手を伸ばした。










―――翌日


慧は電車に乗り込む前、最愛の娘を抱きしめ、別れを惜しむ。


「電話するわ。お母さんにも、よろしくね」

「わかってる」


見送りに来たのは、月野と十夜、それから椿と秦だけ。

小野瀬は、美鶴様が行かれないのであれば、と屋敷に残った。