椿の声を聞いた瞬間、月野は我に返る。
「どうかした?」
手にした携帯を、椿が不思議そうに見つめた。
「あ、今何時かな、って」
「・・・・・・そう。もうすぐ夕食だけど、来れる?」
「大丈夫です。・・・・・・あの!」
部屋を出ていこうとする椿を、月野が呼び止める。
「森の奥に、教会・・・・・・あるんですか?」
「教会? あぁ、あるわよ。知ってたの?」
「えっと・・・・・・はい」
椿が部屋を出ていくと、月野は迷いながらもベッドを出た。
―――・・・・・・。
頭が痛い。
十夜は鈍い痛みに、重い瞼をゆっくりと開けた。
「ここは・・・・・・」
見覚えのない部屋。
白で統一された寝室の持ち主は、男性らしい。
壁にかかるスーツや、置いてある小物が教えてくれる。
―――ジャラ・・・・・・。
身動きが取りづらいことに気づいた十夜は、自身の手首を見た。



