RUBY EYE


「この行く末を見てみたいと思う」

「行く末?」


ステンドグラスに視線を移す。

そこには、キリストもいなければ聖母もいない。

大輪の薔薇が描かれるだけの、ステンドグラス。


「月野ちゃんが来たことで、俺達の運命は大きく変わった」


廻らなかった運命の輪は、彼女を合図に動き出し、ヴァンパイアの世界に波紋を呼んだ。


「彼女がもたらし、そして静貴が起こす行動の行く末を、見たいんだ」


空っぽの自分が見たいと思った“今”。

それは、満たされる前兆なのか。


「静貴は何を―――!」


瞬間、頭に走る鈍い痛み。

十夜が振り返り、薄れ行く意識の中で見たのは―――。


(静貴・・・・・・クソッ)


油断し過ぎた。

十夜は意識を手放し、床に倒れ込んだ。


「伊織さんの後をつけて、正解でした」

「乱暴、だな」


伊織は倒れた十夜を背負い、小さく謝る。