RUBY EYE


この手は、ヴァンパイアを殺せる。


「月野?」

「・・・・・・摩耶さん、綾織くんが好きなのね」

「・・・・・・」


行き過ぎた愛情だとは思うけれど、彼女の姿を月野は羨ましくも思う。

人は、そう簡単に理性の仮面を剥げないものだ。

あんなにも自分の欲望に忠実でいられる摩耶に、恐怖と羨望を抱かずにはいられない。


「綾織くんは・・・・・・」


彼女が好きですか?

そう聞こうとしたけれど、やめた。


「ううん、なんでもない。・・・・・・起きないと」


起き上がると、視界が揺れて気持ち悪い。


「月野、寝てろ」

「あ・・・・・・」


起き上がった月野をまた寝かせて、十夜はベッドを下りた。

服を素早く着替えると、十夜は月野に笑いかけて部屋を出た。


「坊ちゃん」

「俺は、お前に謝れとは言わない。許すのは、俺じゃなくて月野だからな」

「はい。お嬢さんは、今会えるでしょうか?」