(やっぱり、私の考えすぎなのよ)
今の浦部は、怖いとは感じない。
雰囲気も、穏やかになっている気がするし。
「綾織くんが一緒なら、大丈夫だね。授業に遅れないようにね」
浦部はふたりに笑顔を向けると、保健室に姿を消した。
「あ、ありがとう・・・・・・」
「勝手に行動するな」
「案内してもらってる最中にいなくなったのは謝るけど・・・・・・。香堂くんと忙しそうだったから」
あの口論に割って入る勇気はない。
俯く月野に、十夜はため息を零す。
「ともかく、勝手な行動は控えろ。登下校はもちろん、校内でもなるべく俺の傍にいろ」
「どうして?」
「それは―――いずれわかる」
言葉を濁す十夜に、月野は意味がわからない。
「過保護だねぇ、十夜くんは」
「鷹斗、まだいたのか」
浦部へ向けるのとは、また違った鋭さを秘めた視線を、鷹斗へと向ける。



