「如月 秦です」
「あ・・・・・・」
思い出した。
昨日、咎堕ちから助けてくれた人だ。
月野は慌ててお礼を言うが、何故、上半身裸なのかがわからない。
日に焼けた逞しい肉体と、精悍な顔立ちは、十夜や鷹斗とは違う、大人の男の色香を感じる。
「ちょっと! なんて格好でうろついてんのよっ」
椿の怒声が聞こえて、月野はびくりと肩を震わせて振り返る。
「月野ちゃんに変なもの見せないで」
「変なものって・・・・・・」
秦はため息をつきながら、ミネラルウォーターを手に取る。
「それより、シャツないか? 洗濯に出したから、ないんだ」
「シャツ? あ〜・・・・・・多分、あると思うけど」
小野瀬のシャツなら着れるだろうと、椿はキッチンを出ていく。
「では、失礼します」
秦は小さく頭を下げ、椿の後を追いかけた。
「・・・・・・ふぅ」
月野は肩から力を抜き、冷蔵庫の中を見た。



