「人間なんかに隠れて生きるなんて、おかしい!」
「隠れて生きているわけではありません」
光彦の荒げる声と違い、秦の声は冷静そのものだった。
「その女を何故守る? 僕達を殺せる、危険な存在なのにっ」
光彦の瞳は、血のように赤く、正気が残っているようには見えない。
もう彼は、咎堕ちとなんら変わりがない。
血ではなく、己を突き動かす理想に、狂ってしまっている。
「光彦さん、あなたは・・・・・・」
秦は、言葉を失った。
彼の思いが、同族であるが故に、痛々しく思う。
「僕は・・・・・・僕は・・・・・・!」
咎堕ちが飛び掛かる。
辺りに集まりだした咎堕ちの数が増えている。
「ど、どうしようっ」
秦は咎堕ちを蹴散らしているが、表情は苦しそうだ。
月野を背に庇っているから、自由に動けないのだろう。
「月野ちゃん!」
2階の窓から、椿が顔を出す。



