光彦の声と共に、咎堕ちが飛び掛かる。
死を覚悟した。
「っ!」
―――フワ・・・・・・。
目を閉じて数秒、月野の体を誰かが抱き上げた。
恐る恐る目を開ければ、また知らない男性だった。
「あ、あの・・・・・・」
月野を抱き上げた男性は、そのまま咎堕ちと距離を取る。
「大丈夫ですか?」
男性は月野に笑いかけると、ゆっくり下ろしてくれた。
「如月 秦と言います。詳しい説明は省きますが、十夜様がじきに来ます。ご安心ください」
「綾織くんが・・・・・・?」
良くわからないけれど、この人は十夜の知り合いらしい。
月野は安堵し、その場に座り込んだ。
「光彦さん、大人しく従ってください」
秦は月野の前に立ち、光彦を睨んだ。
「何故わからないんだ?! 僕達の方が優れてるのに」
それは、どこか悲痛な叫びだった。
月野は、彼の怒りに歪んだ顔を見る。



